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現在、本研究会は、『Instructional-Design Theories and Models, Volume IV: The Learner-Centered Paradigm of Education』、Edited by Charles M. Reigeluth、 Brian J. Beatty, Rodney D. Myers、Routledge Taylor & Francis Group、 2016
を、主な参考文献としています。
以下は、この本の序文を日本語訳したものです。

インストラクショナル・デザイン理論とモデル、第4巻:教育の学習者中心のパラダイム
序文
人々がよりよく学ぶことを手助けするやり方。それが、インストラクション理論に関するすべてである。それは、インストラクションの多様な手法(人の学びや発達を支援する異なるやり方)と、各手法を、使うべき時-使うべきでない時-について述べている。
Instructional-Design Theories and Models第1巻(1983)は、1980年代初期のインストラクショナル理論の状況に関する「スナップショット」を提供している。その主な目的は、ADDIE(Analysis、Design、Develop、Implement、Evaluate)やISD(Instructional Systems Design)プロセスモデルの陰に隠れて、ひどく見過ごされてきたインストラクションナル理論についての関心を高めることである。理論の多くは、古典的で、今日でも、いまだに役に立っている
第2巻(1999)は、情報化時代のためのインストラクショル理論の新しいパラダイムに関する1990年代後半の研究から広く抽出したものの簡潔な要約である。その主な目的は、人の学びと発達に関するすべての異なる領域において、カスタマイズされた、または、学習者中心の学びの経験を提供する理論の多様性について関心を高めることである。また、それは、インストラクショナル理論における価値観の重要性についての関心を高めた。
第3巻(2009)は、インストラクショナル理論の理論家が、お互いから相対的に離れたところで研究している程度についての関心から生まれた。彼らは、すでに存在している知識や、彼らが述べている構成概念のためにすでに使われてきた意味論の上に構築することをあまり考慮せずに、インストラクションについて自分自身の見方を構築しつつある。従って、第3巻は、用語の共通した使用を伴うインストラクションについて、共通の知識ベースを構築する中で、早期に、数歩歩みを進めている。また、それは、共通の知識ベースを構築するためにコミュニケーションをするためのいくつかのツールを記述している。
これら3つの巻は、たいへん異なる領域に及んでいる。それらのどれも、先行するものを置きなおすことを意図していなかった。私たちは、繰り返し(duplication)を最小限に保つために意識的な努力をしてきた、だから、ある分野の技術を習得させることに興味を持っている読者や、強力なインストラクションをデザインしている科学は、これらすべてから恩恵を得るだろう。各巻は、主な貢献を要約している前書きの章を含んでおり、それは、読者に、ある章が、個別の関心やニーズに取り組んでいるかいないかについて、早めの感触を与えるためである。
何故、第4巻か?
私たちの最初の考えは、第3巻とともにこのシリーズを完結するということだった。しかし、先に進むにつれて常に開発されている新しいインストラクションの手法が、脳科学・情報技術・他の関連分野で、作られている。さらに、私たちが情報化時代をより深く進化させてきた時、教師中心から学習者中心へのパラダイムにおける変化が、インストラクションに関する理論の範囲を技術的に越えている教育とトレーニングの局面における変化と、並行していることが明確になってきた。
システム思考を使いながら、インストラクションの学習者中心のパラダイムが、インストラクションの管理・評価・その上カリキュラムに関する異なるパラダイムと、密接に相互関係を結んでいると、私たちは認識している。第1、インストラクション管理の点で、本当の学習者中心のインストラクションは、時間に準拠するより、学びに準拠するために、学生の進歩を要求する。これは、第1巻1章(p.8)で定義されたインストラクションの管理戦略であり、そして、結果的に、インストラクショナル理論によって取り組まれてこない。第2、評価の点で、本当の学習者中心のインストラクションは、学生の学びを、仲間の学び(norm-referenced:規範参照的)と比較するよりむしろ、達成の基準(criterion-referenced:尺度参照的-学習者が移動する準備をしている時を知るために)と比較することを要求する。そして、評価は、結果的に、分離した活動であるよりむしろ、インストラクションに統合されるべきである。第3、カリキュラムの点で、本当の学習者中心のインストラクションは、学ぶべきものについての決定を要求している、それは、産業化時代の人の社会より、かなり複雑な社会の中の学生のニーズに対応しているものである。
要約すると、教えるべきもの、どのように教えるか、どのように評価するかについての決定すべてが、産業化時代に適切であったものと比較して、今、劇的に異なっていなければならない。そして、それらは相互依存しているので、それらの決定は一緒になされるべきである。その相互依存性は、第1巻から第3巻において、取り組まれてきていない、しかし、ここ第4巻で取り組まれている。この巻は、教育とトレーニングの学習者中心のパラダイムのために、理路整然としてわかりやすく・包括的なガイドラインを提供している。効果的なデザインは、同時に、3つすべてに取り組まなければならないので、そのガイドラインは、インストラクションと同じように、カリキュラムや評価に取り組んでいる。
学習者中心のパラダイムと一体となった挑戦
おそらく、教育とトレーニングの学習者中心のパラダイムを実施することに伴う最も大きな変化は、インストラクションの理論家、研究者、教育政策決定者、実践者が、教育とトレーニング両方におけるインストラクションについての産業化時代のメンタルモデルとマインドセットを超えていく中で、直面する困難である。学年のない、講座のない、テストのない、成績のない、学期という用語のない学校や大学を、私たちが想像することは難しい(Reigeluth & Karnopp 2013)。学習者中心のパラダイムを効果的に実施するために、伝統的なメンタルモデルとは大変異なるやり方で、多くの利害関係者が教育を理解しなければならない。
学習者中心のパラダイムと一体となった別の挑戦は、産業化時代のシステムを転換する困難さであり、極度に困難な変化をするためにデザインされる。もし、高度に政策化されたかつ官僚的なシステム内で、部分的なリフォームが困難であるなら、パラダイム変化は、より多くの大きな規模の困難からなる注文である。それは、鉄道輸送システムを航空輸送システムに転換しようと試みるのと、同じようなものである。それは、システムのすべての部分で、少なくとも、先端のポイントの到達するために十分な部分で、根本的な変化を要求している。そのポイントでは、変化を後戻りさせるために、古い部分が新しい部分に行使しているより、より多くの圧力が、新しい部分によって、残っている古い部分を変化させるために行使されているところである。これは、転換プロセスが、部分的なリフォームより、より多くの費用と時間がかかることを意味している、しかし、新しいパラダイムが、現在のものより費用がかからないだろうという良い証拠がある(Egol 2003, Reigeluth & Karnopp 2013)。良いニュースは、学校、地域、州レベルで、存在している学校システムを転換するための効果的なプロセスについて、多くが知られているということであり、そして、何ができるかの事例として役に立つために、学習者中心のパラダイムの特徴を表に出している学校が、すでに数百あるということである。

この巻について
この巻の第一の読者は、過去の3巻と同様に、インストラクションの理論家、研究者、大学院生である。追加的な読者は、高い品質のインストラクションをデザインするやり方についてのガイダンスに興味のあるインストラクションナルデザイナー、教師、トレーナーである。
単元1の1章は、学習者中心のパラダイムのためのデザイン理論に関して、トップレベルの記述を提供している。2章から5章は、トップレベルの記述についてファーストレベルで詳しく述べたものを提供し、それは、コンピテンシーベースの教育、課題中心のインストラクション、パーソナライズされたインストラクション、カリキュラムの新しいパラダイムに関する章を伴っている。単元2は、セカンドレベルで詳しく述べたものを提供し、それは、作り手ベースのインストラクション、協働的なインストラクション、インストラクションのためのゲーム、自己調整的な学びのためのインストラクション、インストラクショナルコーチング、学習者中心のパラダイムのためのテクノロジーに関する章を伴っている。最後に、単元3は、学習者中心のパラダイムに向かうステップに関する記述を提供している。そのステップは、産業化時代のパラダイムの制約内で実施することができるインストラクションのデザインであり、反転授業のためのインストラクション、インストラクションにおけるゲーミフィケーション、モバイルラーニングのための考慮、ジャストインタイムのティーチングを含んでいる。
私たちは、2巻・3巻でしてきたのと同じ種類の慣例にとらわれない各章の前書きを準備することによって、この巻内のインストラクション理論を、読者が要約することを容易にしようと試みている。各章の前書きは、その章内で提示された主な考えの要点を述べている。これは、あなたが、素早くある賞の概略を手に入れ、次に、あなたに特に興味を抱かせる章の部分のページをめくるための、ハイパーテキスト機能と同じ種類のものを提供している。また、それは、プレビューとレビュー機能を提供することができ、異なる理論の比較を容易にしている。また、私たちは、あなたが、章内の要素を、他の章で提示されている同様の考えに関連付けることを手助けするために、多くの章で編者注を挿入した。最後に、各単元内の章を紹介する単元の前書きがある。
インストラクションの理論家と研究者が、さらに、教育とトレーニングの学習者中心のパラダイムについての知識を前進させることに、この巻が役立つだろうということが、私たちの真摯な希望である。また、政策決定者と財団が新しいパラダイムへの転換をサポートするために、この巻が役に立つだろうことを、私たちは希望する。最後に、インストラクショナルデザイン、教師、トレーナーが教育とトレーニングシステム内で学習者中心の実践を実施するために、この巻が役立つだろうと希望する。
『Instructional-Design Theories and Models, Volume IV: The Learner-Centered Paradigm of Education』、Edited by Charles M. Reigeluth, Brian J. Beatty, Rodney D. Myers,Routledge Taylor & Francis Group, 2016, pp12-15より引用
注: 日本語に訳した語の後にある( )内の英語表記の単語は訳者が挿入

参考リンク先
Instructional-Design Theories and Models, Volume IV: The Learner-Centered Paradigm of Education

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